ATEN HDBaseT製品 施工時の注意点
概要
本ドキュメントでは、LANケーブルでHDBaseT対応製品をセットアップするのに最善な方法を提供します。
ケーブル敷設時の注意点
壁内や床下の隠ぺい場所など、屋内の鋼管を通すようなケーブル敷設工事を行う際は、環境的なノイズやケーブル自身から発する放射ノイズによる電磁波障害(EMI)により、安定した映像や音声信号が伝送されない恐れがあります。電磁波障害(EMI)を回避するために、シールド付ツイストペア(STP)ケーブル(例:弊社型番2L-NS06シリーズ)の使用を推奨します。
ケーブルの種類と長さの選定
下表を参考にして、適切な種類と長さのケーブルを使用してください。
HDBaseTの種類 | カテゴリ5e/6 | カテゴリ6a/7 | 型番 |
---|---|---|---|
Class A | 4K@70m 1080p@100m |
4K@100m 1080p@100m |
VE812/VE814/VE813/CE610* |
Class B (lite) | 4K@35m 1080p@60m |
4K@40m 1080p@70m |
VE801/VE802/VE805R/VE601* |
* VE601およびCE610の最大解像度は1,920×1,200です。
LANケーブルの束線本数
HDBaseT Allianceでは、束線可能なLANケーブルの最大本数を下表のとおりに定義しています。但し、この本数は結末を保証するものではありません。
種類 | 30m | 50m | 70m | 100m |
---|---|---|---|---|
カテゴリ5e/6 | 6本 | 4本 | 2本 | 1本 |
カテゴリ6a/7 | 6本 | 6本 | 6本 | 6本 |
ケーブルの取り扱いと配線方法
ケーブルはすべて、適切なケーブルラップを用いて、ケーブルが動かせる程度の余裕を持たせ、ゆるめに束ねてください。ケーブルを強く引っ張ると、「より」がほどけてしまい、製品のパフォーマンスを低下させる恐れがあります。敷設作業の際には、ケーブルの構造に損傷を与えないよう、十分にご注意ください。また、LANケーブルの上に物を落としたり、置いたりしないようにしてください。
ケーブルは、活線や電気モーター、無線機、TV受像機、エレベーターといった、電磁波干渉を引き起こす装置から離して設置してください。
多数の構内配線がある環境で敷設を行う際には、他の信号とのクロストークを防ぐために、HDBaseT対応のトランスミッターとレシーバーの間で使用するケーブルを他のケーブルから可能な限り離して設置してください。
パッチケーブル(より線ケーブル)を使用しないでください。
壁セグメントには、単線ケーブルの24/23 AWGのインフラ構築用ケーブルを使用してください。
ストレート結線のケーブルにはT568AまたはT568Bの規格を適用してください。
STPケーブルを使用する際には、ドレイン線がケーブルの両端にあるRJ-45コネクターの金属部分にしっかりと外れないように、所定の固定金具が使用されているか、はんだ付けがされていることを確認してください。
ケーブルのシールド部分がRJ-45コネクターの上部にしっかりと接触していることを確認してください。
HDBaseT対応のトランスミッターとレシーバーの間で使用するケーブルは、各デバイスポートに圧力がかからないように若干の余裕を持たせながら、できるだけ最短距離で配線するようにしてください。ケーブルが長くなるとパフォーマンスの低下につながる恐れがありますので、余分なケーブルの巻きができないよう、ご注意ください。尚、ケーブルを巻いた状態で使用すると、クロストークが発生する可能性が生じます。
ケーブルをカーブさせる必要がある場合は、曲げ半径が50mmを超えないようにしてください。
[図解] ケーブルの電流による磁界発生と電磁波干渉(EMI)の図。
[図解] 隣接するケーブル間の信号クロストークの図。
[図解] パッチケーブル(撚り線、X印)と単線ケーブル(O印)の比較図。
[図解] STPケーブルのRJ45コネクタへの接続詳細図。ドレイン線とシールドの接触を強調。
[図解] デバイスポートでの適切なケーブル管理:ポートでのわずかな余裕と、パフォーマンス低下やクロストークを防ぐための余分なケーブルの巻き取り回避。
[図解] ケーブルの最小曲げ半径が50mmを超えないことを示す図。
接地と電磁波対策
すべての機器を接地してください。
各接地点による電位差(ノイズ)が発生し、メイン信号に電磁波障害を及ぼす経路ができないように、すべての機器に対して一点接地または共通接地を施してください。適切に接地することで、構成機器全体を循環する信号の整合性を維持することができます。
[図解] 入力機器およびディスプレイの接地接続図。接地導体を使用。
会社情報
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