HP ZCENTRALの概要

HP ZCentralとは何ですか?どのような特長がありますか?

HP ZCentralは、ローカルワークステーションの展開での一般的な問題に対処するために設計された新しいリモートコンピューティング ソリューションです。これは、サーバー、仮想化(またはVDI)、およびクラウド サービスプロバイダーに代わるものです。HP ZCentralは、仮想マシンではなく専用(またはベア メタル)ワークステーションへのリモート アクセスをユーザーに提供します。HPのデスクトップワークステーションは、コンピューティングルームまたはデータ クローゼットのラックにマウントして、HP ZCentral Remote Boost*を使用してエンドユーザーにクラス最高のリモート エクスペリエンスを提供できます。IT部門は、ワークステーションのプールへのエンドユーザー接続を、まったく新しいHP ZCentral Connect**で管理できます。サーバー、仮想化、およびクラウドに対する主な利点は、パフォーマンスの向上、低コスト、セットアップおよびメンテナンスがシンプルであることです。これらがすべて単一のベンダーから提供されます。

このホワイトペーパーでは、ローカルワークステーション コンピューティングの問題点、HP ZCentral集中型ワークステーションでそれらを軽減する方法、およびHP ZCentralの展開を成功させるためのアーキテクチャ上の考慮事項について説明します。

HP ZCentralを必要とするのは誰ですか?またその理由は何ですか?

HPはワークステーション市場の世界的なリーダーとして、ワークステーションを使用して製品、建物、都市を設計および開発する企業や組織、アニメーション、視覚効果、テレビ番組を制作する企業や組織、または複雑な市場動向および地理空間データの分析とシミュレーションを行う企業や組織と定期的に会合を持ちます。これらすべてのケースで、高性能と高信頼性を組み合わせたコンピューティングが必要です。つまり、ワークステーションです。確かにパフォーマンスおよびコストの観点からは、各ユーザーの前に専用ワークステーションがあるのが多くの場合に最適なソリューションです。しかし、高性能のワークステーションをデスクに置いておくことは困難になってきています。

HP ZCentralは、業界をリードするお客様と協力してこの傾向に対処した成果です。

高速なデータ同期および優れた物理的セキュリティ

多くの企業に、非常に大きなプロジェクトファイルを扱うチームがあります。チームが同じ建物内にいない場合、中央ストレージと各オフィスの各ワークステーションの間でこれらのプロジェクト ファイルの変更を同期するには長い時間がかかる可能性があります。

HP ZCentralは、ワークステーションを企業のストレージデバイス群と同じ場所に配置し、はるかに高速なデータ アクセスおよび同期を可能にします。HP ZCentral Remote Boostソフトウェアは、モデルデータをユーザーのデバイスに返す代わりに、画面イメージ(ピクセルなど)を即座に転送します。そのため、データ サイズが大きくなってもレスポンスの劣化は起こりにくくなります。このような場合、HP ZCentralのようなリモート ワークステーション ソリューションは、デスクトップ ワークステーションをデスクに置いてある場合と比較してモデルデータなどデータ転送速度を向上させることができます。

他の組織は、オフィスや作業現場にないデバイスに機密データを保存することを懸念しています。アクセス制御された環境でワークステーションを一元化することにより、セキュリティの堅牢性を大幅に強化することができます。

柔軟性およびモビリティ

タワー型ワークステーションは、最先端のパワー ユーザーのプロフェッショナルワークフローには最適ですが、モビリティ用途には適していません。つまり、パワー ユーザーはある特定の建物のある特定の席からしか作業することができません。これは一部の状況では理想的ですが、他の状況では制限になる場合があります。HP ZCentralを使用すると、IT部門は実行する必要のあるソフトウェア向けにワークステーションを最適化し、最新のモバイルワークスタイルに最適なエンドユーザーデバイスを調達できます。パワーユーザーは、オフィスでも自宅でも、任意のデスク、テーブル、またはソファで作業できます。

簡素化されたクライアント デバイス戦略

HP ZCentralを使用すると、職務に関係なくすべての労働者にHP EliteBookやHP ZBookなどの同じデバイスを提供することで、クライアント デバイスの調達、展開、およびサポートを簡素化できます。クライアント デバイスのメンテナンス コストを最小限に抑え、セキュリティを最大化しようとする企業は、HP ThinProを搭載したHP Thin Clientで標準化できます。パワー ユーザーは、多くの計算パフォーマンスや特殊なアプリケーションを必要とするタスクを実行する場合に、標準のクライアント デバイスからHP ZCentralワークステーションに接続できます。IT部門は、すべてのワークステーションを1か所で管理できます。

ワークステーションおよびプロフェッショナルアプリケーションのオーバーサブスクライブ

私たちは皆、予算を使って仕事をしています。ユーザーが高価なアプリケーションと、それを実行するための強力なワークステーションを必要とする場合、それらは予算に加算されます。しかし、パワー ユーザーが時には専門的なアプリを必要とするものの、残りの時間は基本的なオフィスアプリケーションしか使用しない場合どうでしょうか。HP ZCentralを使用すると、必要に応じてリモートで「チェックアウト」できるハイエンドワークステーションのプールをセットアップできます。IT部門は、アプリケーション ライセンスおよびワークステーションをすべてのユーザーに割り当てるのではなく、実際の使用に基づいて最適に構成されたワークステーションを展開できます。

作業環境

HP ZCentralを使用すると、強力なワークステーションがオフィス環境の外に移動し、その熱、ノイズ、電力をサーバールーム内に収めます。編集者、デザイナー、または科学者は、静かになったオフィスで、環境フットプリントの大幅に小さいノートブックまたはThin Clientを使用できます。

HP ZCentralと仮想化サーバー

集中型ワークステーションには2つのアプローチがあります。違いは主にバックエンド コンピューティングおよびソフトウェア層にあります。HP ZCentralは、専用のリモートワークステーションソリューションです。

サーバーおよび仮想化(VDI、eVDI、クラウドワークステーション)

専用リモートワークステーション(ベアメタル): HP ZCentral

アプローチの比較

サーバーおよび仮想化はコンピューティングを一元化してリモートアクセスを提供しますが、第1にソリューションを駆動するアプリケーションのパフォーマンスを低下させ、複雑さおよびコストも増加させます。追加する仮想化ソフトウェアのライセンス、(ユーザー数で割った場合でも)割高なサーバー ハードウェア構成、追加のGPU仮想化コスト、およびセットアップと複雑性の管理のための追加コストにより、仮想化の方が高価です。VDIまたは仮想化リモート操作ソフトウェアは、主に一般的なオフィスユーザー向けに開発されています。そのため、HP ZCentral Remote Boostのようなワークステーション ユーザー向けに作成されたリモート操作ソフトウェアと比較すると、パワーユーザーには同じインタラクティブなエクスペリエンスを提供できない場合があります。

HP ZCentralの専用リモートワークステーションは、会社が使い慣れたハードウェアを別の場所に配置し、リモート アクセスおよび接続管理用ソフトウェアを追加するだけなので、はるかに簡単にセットアップして使用できます。HP ZCentralは、少ないコストでユーザーごとに豊富なハードウェア構成を提供できます。ワークステーションは、最適なCPUコア数で高いCPU周波数を備えています。VDIでは、各VMと共有するために十分なコアと、仮想化ソフトウェアを実行するためのオーバーヘッド コアが必要になるため、コア数が非常に多いCPUが必要です。VDIに必要なコア数の多い高周波数のCPUを入手すると、コストが高くなります。HP ZCentralでは、仮想化の要件ではなく、ISVアプリケーションおよびワークフローに基づいてCPUを選択します。

HP Zワークステーションには、特にワークステーションのパワー ユーザー用に開発されたリモート操作ソフトウェアのHP ZCentral Remote Boostが付属しています。HP ZCentral Connectを使用すると、幅広いユーザーがワークステーションのプールを共有できます。そのため、特定の接続でワークステーション全体が使用される場合でも、そのワークステーションが1人のユーザー専用になることはありません。

支出:

ZCentral 仮想化サーバー
ソフトウェア • HP ZCentral Connect
• HP ZCentral Remote Boost
専門IT管理
GPU仮想化
VDIソフトウェア
リモートアクセスソフトウェア
ブローカーソフトウェア
ハードウェア ハードウェア ハードウェア

ソリューションの概要

以下の図は、HP ZCentralソリューションの主要コンポーネントを示しています。以下のセクションでは、これらのコンポーネントと、ソリューション設計者が考慮する必要のあるその他の重要な項目について説明します。HP ZCentralチームによる以下の推奨事項はガイドラインと見なしてください。エンド ユーザーに展開する前に、ユーザー固有のワークロードを使用したテストを行うことをおすすめします。

ラック搭載ワークステーション

  • Remote Boost Sender
  • Connect Agent¹
  • Active Management (AMT)¹
  • Windows, Linux®

エンドポイントデバイス

  • Remote Boost Receiver
  • Connect Client¹
  • Connect Client Portal¹
  • Windows, Linux®, macOS®

IT管理

  • Connect Manager
  • ユーザープロファイル管理
  • AMTプロビジョニング

統合

  • HP Client Manageability
  • Active Directory

¹ラック搭載ワークステーションおよびエンドポイントデバイスがCONNECT MANAGERに接続されています。

HP ZCentral Remote Boost

おそらく、集中型ワークステーション ソリューションの成功において最も重要な要素は、エンドユーザー エクスペリエンスです。HP ZCentralチームは、10年以上にわたるリモート ワークステーションのカスタマー エクスペリエンスのフィードバックを新しいHP ZCentral Remote Boostに組み込みました。HP ZCentralのエンジニアは、フレームレート、画質、および応答性の境界を絶えず広げています。HP Remote Graphics Software (RGS)のパフォーマンスおよび機能に基づいて構築され、HPZCentral Connectと組み合わせたHP ZCentral Remote Boostは、最も要求の厳しいユーザー向けの完全なエンドツーエンドのソフトウェアソリューションを提供します。

HP ZCentral Remote Boostで提供されるエクスペリエンスの例

これらの機能の設定方法について詳しくは、『HP ZCentral Remote Boost User Guide』(英語サイト)を参照してください。

必要なコンポーネント

HP ZCentral Remote Boostには、SenderおよびReceiver という2つの主要ソフトウェア コンポーネントがあります。Senderは集中型ワークステーションで実行されるサービスであり、多くの場合、コンピューティング クローゼットに収納されています。Senderはワークステーションの表示画像を分析し、ネットワーク経由でクライアント デバイスに送信します。Receiverはエンドユーザーのクライアント デバイスで実行されるアプリケーションです。Receiverは、Senderからディスプレイ画像を受信してエンド ユーザーのコンピューターに表示し、キーボードおよびマウスの入力をキャプチャしてワークステーションにリダイレクトします。2台のコンピューターがネットワークを介して互いに通信する場合は、Remote Boostセッションを使用します。

ラック搭載ワークステーション

  • ✔ Remote Boost Sender
    Windows, Linux®

エンドポイントデバイス

  • ✔ Remote Boost Receiver
    Windows、Linux®, macOS®

Sender

Senderは、HP Zデスクトップワークステーションか、WindowsまたはLinuxを実行するその他のデバイスで実行できます。Remote Boost Senderは、仮想マシン、ベア メタルサーバー、またはサポートされているオペレーティング システムを実行しているパブリッククラウド インスタンスで実行することもできます。最高のパフォーマンスを得るために、マルチコアおよびNVIDIA® Quadro®グラフィックスカードをおすすめします。

NVIDIA® Quadro®グラフィックス カードは必須ではありません。サポートされているオペレーティング システムなどの最新のリストについては、『HP ZCentral Remote Boost User Guide』を参照してください。

HP ZCentral Remote Boost Senderは、HP ZBookを含むHP Zワークステーションでライセンスフリーで実行できます。HP Zワークステーション以外のハードウェアでは動作することはできません。

Receiver

Receiverは任意のWindows、Linux®、またはmacOS®デバイス上で実行できます。どのデバイスでもライセンスは必要なく、無料でダウンロードできます。サポートされているオペレーティング システムなどの最新のリストについては、『HP ZCentral Remote Boost User Guide』を参照してください。

ネットワーク

HP ZCentral Remote Boostを使用するには、送信側と受信側のデバイスがネットワーク上で相互に認識されている必要があります。安全なリモート接続を確立するために、VPN(仮想プライベート ネットワーク)のセットアップを含めることができます。

レイテンシに関する考慮事項

レイテンシは、地理的な距離、ネットワークアドレス変換(NAT) フィルタリング、およびホップによって決まります。データ パケットは光の速度と同じ速さでしか移動できないため、パケットの移動距離が長くなるほど、遅延は大きくなります。ホップ、つまりデータが送信側と受信側の間で通過する必要のあるデバイスの数は、海洋または大陸上で長距離を移動するデータ伝送で特に影響が大きくなる可能性があります。関心のある2つのエンドポイント間で「ping」機能を使用すると(ネットワークで有効になっている場合)、ネットワーク レイテンシを簡単に測定できます。

ネットワーク

遅延 地域の例 応答性 ユーザーエクスペリエンス 主観的な影響 動作
20 ms未満 ヨーロッパ、日本 きわめて良好 ローカルシステムとの目に見える違いはない ローカルワークステーションと同様 ローカルワークステーションと同様
20 ms - 60 ms 北米 良好 エンドユーザーが影響に気づきにくい エンドユーザーが影響に気づきにくい 画面ドラッグに多少の遅延が発生する
60 ms - 100 ms 大西洋横断 良好 エンドユーザーはシステムがリモートであることを認識する エンドユーザーはシステムがリモートであることを認識する ビデオの再生が途切れる
100 ms - 200 ms 太平洋横断 許容可能 一部の使用事例では好ましくない場合がある 一部の使用事例では好ましくない場合がある オーディオのストリーミングが同期できなくなる
200ms以上 アプリケーションによっては許容できない場合がある アプリケーションによっては許容できない場合がある ウィンドウをドラッグするときにカーソルの遅延が発生する

帯域幅に関する考慮事項

HP ZCentral Remote Boostには、レイテンシなし、高帯域幅のLAN接続から、高レイテンシ、低帯域幅のWAN接続まで、さまざまなネットワーク条件で最高のリモート エクスペリエンスを提供する構成設定が含まれています。画質(「Q値」)の変更、フレームレートの制限、またはRemote Boostで使用されるcodec (HP3またはAVC)の変更により、使用される帯域幅の量を制御できます。この柔軟性とアクセスされるアプリケーションの多様性により、必要な帯域幅や許容できるレイテンシの量に対する単一の答えはありません。HP Remote Boost導入前に実際の使用環境(ネットワーク、ソフトウェアなど)でテストすることをおすすめします。

HP Remote Boostを使用すると、ユーザーは低帯域幅のcodec (AVC)を選択できるため、低帯域幅の接続でフレームレートを向上させることができます。以下のグラフは、さまざまな帯域幅の制約および品質設定のもとでHP3およびAVCの各codecで達成されたフレームレートを示しています。

フレームレート(FPS)

[グラフ: フレームレート(FPS)対帯域幅の制約(2 Mb/sから70 Mb/s)を示し、HP3-Q10、HP3-Q65、AVC-Q10、AVC-Q65の4つのデータ系列がある]

パケット損失およびHP ZCentral Remote Boost

「パケット損失」は、ネットワーク上のデータ(「パケット」で構成)が宛先に到達できず、パケットが再送信される場合に発生します。これは多くの場合、リモート エクスペリエンスで知覚可能なレイテンシまたは遅延に最大の影響を与えます。エンタープライズ ネットワークの場合、パケット損失の最も一般的な原因はネットワークの過密状態であり、パケットは目的の宛先に到達する前に「タイムアウト」(期限切れ)になります。この場合、データ伝送の整合性を確保するために、宛先に到達するまで継続的にパケットを再送信する必要があります。HP ZCentral Remote BoostにはHP Velocityと呼ばれる機能があり、ネットワークで反復パケットが蓄積するのを回避して、インタラクティブなリモートエクスペリエンスを維持できます。

エンタープライズ ネットワークのパケット損失率は非常に低く、めったに0.5%を超えません(99.5%以上のパケットが再送信なしで通過します)。ただし、ネットワーク上に膨大な量のデータがあると、特にレイテンシが発生している長距離接続では問題を引き起こす可能性があります。パケット損失が頻繁に発生すると、全体的なデータ転送が遅くなり、ネットワーク帯域幅が減少したように見えます。

HP ZCentral Connect

HP ZCentral Connectは強力な新しいツールであり、組織がワークステーションを最大限に活用したり、ユーザーをワークステーションのプールにマッチングしたり、中央ワークステーションへの接続方法を簡素化したりすることができます。このツールはHP ZCentral Remote Boost接続のブローカーです。

管理者エクスペリエンス

提供可能なエンドユーザー エクスペリエンス

HP ZCentral Connectにはいくつかのコンポーネントおよび統合機能があります。以下の図は、すべてのコンポーネントおよび統合機能がどのように連携するかを示しています。

ラック搭載ワークステーション

  • Remote Boost Sender
  • Connect Agent¹
  • Active Management (AMT)¹
  • Windows, Linux®

エンドポイントデバイス

  • Remote Boost Receiver
  • Connect Client¹
  • Connect Client Portal¹
  • Windows, Linux®, macOS®

IT管理

  • Connect Manager
  • ユーザープロファイル管理
  • AMTプロビジョニング

統合

  • HP Client Manageability
  • Active Directory

¹ラック搭載ワークステーションおよびエンドポイントデバイスがCONNECT MANAGERに接続されています。

HP ZCentral Connect コンポーネント

HP ZCENTRAL CONNECTの展開手順

[フローチャート: Connectソフトウェアのインストール → 管理者としてConnectにログイン → Connectで管理するホストをインポート → プールおよびプライベート ホストを構成 → ユーザーおよびセキュリティグループをActive Directoryからインポート → Connect Client Portalのアドレスをユーザーと共有 → ユーザーによるホストへのセッションの作成を許可]

HP ZCentral Connectでのユーザーおよびワークステーションの認識方法

セキュリティグループ

ホストのプール

ユーザー

プライベートホスト

[図: セキュリティグループ、ホストのプール、ユーザー、プライベートホストがHP ZCentral Connectを介して相互に接続されている様子を示す]

プールおよびプライベート ホストとは

セキュリティグループとは

Active Directory統合

HP ZCentral ConnectにはActive Directory(AD)統合が必要です。ドメイン ホスト、セキュリティグループ、およびユーザーはHP ZCentral Connectデータベースにインポートされ、プール内のプライベート ホストまたはマシンへのユーザー アクセスは、ユーザーをプライベート ホストに、またはセキュリティ グループをプールに関連付けることによって行われます。

AMTの有効化およびプロビジョニング

HP ZCentral Connect Managerを経由した電源操作を可能にするには、最初にIntel® AMTと統合して、各ホスト(ワークステーション)をプロビジョニングする必要があります。初期設定では、工場出荷時のすべてのHP ZワークステーションでAMTが無効になっています。AMTは、HP ZCentralの管理者が有効にしてプロビジョニングするか、工場でHPカスタム サービスによって有効にすることができます。AMTのプロビジョニングについて詳しくは、エンタープライズ環境向けのAMTのプロビジョニングに関するHPのホワイトペーパー(近日公開)を参照してください。

ラック搭載ワークステーション

HP ZCentralソリューションを使用すると、HPの業界をリードするワークステーションを、必要なときに必要な場所でユーザーにリモート配信できます。HPワークステーションはHP ZCentral環境向けに最適化されており、HPは完全なテストを行った上で推奨しています。また、すべてのHP Z2、24、26、およびZ8ワークステーションにラックキットがあります。ラック マウントについて詳しくは、『Rack Mounting and the HP Workstation』(英語サイト)を参照してください。

その他の考慮事項

KVM

KVM(キーボード、ビデオ、およびマウス)スイッチは、コンピューターのリモート制御を提供する物理デバイスです。オペレーティング システム(OS)が起動する前にラック搭載ワークステーションにリモートでアクセスする必要がある場合、HP ZCentral Remote BoostはOSがロードされる前にはリモートアクセスを提供しないため、KVMを使用することをおすすめします。

KVMは通常、標準形式またはIP形式のどちらかで提供されます。標準KVMは、HP Zワークステーションに手が届く場合によく使用されます。それ以外の場合はIP KVMをおすすめします。IP KVMは標準KVMのすべての機能をサポートし、システムに近づくことが困難な場合にネットワーク経由でアクセスできます。KVM(標準およびIPの両方)は、多くの場合、KVMとシステムのグラフィックスポートへのアダプターの間のケーブルとしてCAT Vケーブルを使用します。KVMが提供する解像度では、システムが提供できる完全なグラフィックス解像度を利用できない場合があります。ただし、KVMの主な使用例はプリブート環境でシステムにアクセスすることであり、通常、グラフィックス解像度は大きな問題にはなりません。

KVMおよびRemote Boostの解像度マッチング

Remote Boostは、ラック搭載ワークステーションの画面を、Receiverが実行されているデバイスの画面および解像度に一致するように変更し、シームレスなフルスクリーンのリモート エクスペリエンスを提供できます。KVMがこの機能を妨害する可能性があるため、特別な考慮が必要です。

NVIDIA® Quadro®グラフィックスを使用する場合、HP ZCentral Remote Boostは、最初に現在EDIDを持っているグラフィックス出力ポートを使用しようとします。ポートのEDIDがRemote Boostによって要求された解像度をサポートしていない場合、Remote Boostはポートを利用できず、ポートを無効にします。) 、ポートを無効にします。次に、Remote Boostは、ローカルデバイスのディスプレイ構成と一致するように、EDIDを空のグラフィックス出力ポートにロードしようとします。

Remote Boostの解像度マッチング機能を使用していない、またはワークステーションにNVIDIA® Quadro® GPUが搭載されていない場合は、解像度が制限される可能性があります。Remote BoostはSenderのディスプレイ設定を変更しません。EDIDを持ち、現在OSで有効になっているグラフィックス出力ポートのみが使用されます。KVMが恒久的なEDIDを提供し、アクティブであるか、EDIDエミュレーターがインストールされている場合、ポートは使用可能なEDIDによって制限された解像度で使用されます。解像度マッチングについて詳しくは、HP ZCentralのKVMエクスペリエンスに関するホワイトペーパー(近日公開)を参照してください。

その他のラック コンポーネント

HP ZCentralソリューションをセットアップする場合、他にも役立つ考慮事項があります。

ラックソリューションの物理的な考慮事項

電子機器をラックに収納する場合、いくつかの要素を考慮する必要があります。相当な量の電力/熱を小さな領域に収めます。次の点を考慮してください。

例: HP Z2 Miniを使用するソリューションの場合は、42Uラックに最大56台のHP Z2 Miniを配置できます。

電力:約15.7 kW。

スペース:標準の42Uラックの床面積は約89cm×61cm(約35インチ×24インチ)です。

重量:標準の42ラックの重量は182 kg(400ポンド)です。さらに、各システムの重量2.5 kg(5.5ポンド)にシステムの総数(56台)を掛けたものを加えます。これにより、ラックの重量は、89cm × 61 cm (35インチ×24インチ)のスペースで約318kg (700ポンド)になります。床板がこの小さなスペースでこれだけの重量を支えられることを確認する必要があります。

IT管理

HP ZCentralはHPのクライアント管理機能に基づいて構築されており、物理的にデバイスの前に立つことなくクライアント デバイスを管理する必要がある管理者のニーズを満たす包括的な管理機能のセットを提供します。次の表は、管理ソリューションのいくつかの主要な属性の概要を示しています。

リモート電源オン/オフ HP ZCentral Connect管理者ポータルからリモートでラック搭載ワークステーションの電源を入れ、ハードリブートまたは正常なシャットダウンを実行します
接続ステータス 管理者は、各マシンに接続しているユーザーをHP ZCentral Connect管理者ポータルから確認し、リモート セッションを手動で終了できます
リモートサポート HP ZCentral Remote Boostを使用してエンドユーザーに表示されている画面を確認できます
プリブートアクセス サードパーティのKVM、HPのBIOS Configuration Utility、およびオープンソースAMTツールMeshCommanderを使用して、プリブート機能をリモートで表示および制御します
パフォーマンスの確保 組み込みのHP Performance Advisorを使用して、システム構成のパフォーマンスをワークフローに合わせて調整します
BIOSおよびドライバーの更新 HP Client CatalogおよびHP Driver Packを使用して、BIOS、ドライバー、およびその他のHPプラットフォーム固有のソフトウェアの更新を展開します
イメージの展開およびポリシーの設定 HP BIOS Configuration Utility、Microsoft SCCMおよびHP Manageability Integration Kit、またはRed Hat キックス タートを使用して、イメージを展開しポリシーを設定します
ソリューションサポート全体に対する1つの連絡先

HP ZCentral Connect管理者ポータルは、HP ZCentralの接続機能に関連するヘルス情報およびステータス情報を提供します。管理者は、プラットフォームがリモート接続要求を受信できる状態にあるか、アクティブな接続が進行中であるかをすばやく確認できます。必要に応じて、管理者はリモート サポート用のプラットフォームにリモートで接続するか、リモートでマシンの電源をオンまたはオフにすることができます。

HP ZCentralは、HPのクライアント管理ソリューションに基づいて構築されており、お客様は他のすべてのクライアント デバイスの管理に使用するのと同じツールおよびプロセスのセットを使用できます。ITプロフェッショナルがHP ZCentralソリューションを計画、展開、およびサポートする場合、HPのクライアント管理ソリューションの完全なスイートを使用できます。次のようなツールを使用可能です。

HP ZCentral Connectは、MicrosoftのActive Directory (AD)と統合する必要があります。ラック搭載のHP Zワークステーションでは、リモート電源制御などの特定の管理機能のためにAMTを有効にし、プロビジョニングする必要があります。最後に、ユーザーのエクスペリエンスを慎重に検討して設計する必要があります。これらのトピックに関する情報は、このドキュメントの「HP ZCentral Connect」にあります。

エンドユーザー環境をセットアップするときの考慮事項

異なる時間に異なるユーザー間で共有できるワークステーションのプールをセットアップする場合は、各マシンでエンドユーザー環境がどのように提供されるかを検討することが重要です。下に例を示します。

ユーザーエクスペリエンスの要件を満たすために、以下の概念を適用する方法を検討してください。

ユーザー プロファイル管理

ユーザー プロファイルには、コンピューターにログインした後にユーザーが作業する環境のセットアップに役立つ情報が含まれています。Windowsでは、管理者はローカルプロファイル、移動プロファイル、固定プロファイル、および一時プロファイルをセットアップできます。プロファイルタイプは、上記の質問への回答によって異なります。詳しくは、HPのホワイトペーパー『User Profiles and Folder Redirection in a Centralized Workstation Environment』(英語サイト)で、HP ZCentralチームがさまざまなシナリオおよびソリューションについて説明しています。

ユーザーデータへのアクセス(クラウドストレージ、フォルダー リダイレクト)

HP ZCentralのユーザーは、ラック搭載のHP Zワークステーションに直接保存されていないデータを必要とすることがよくあります。代わりに、データは一元管理された保管場所から取得されます。これには、データの冗長性、データの復元力、マルチユーザー アクセス、マルチプラットフォームアクセスなど、多くの理由があります。選択したソリューションのユース ケースについて説明したいところですが、非常に一般的なソリューションはWindowsフォルダー リダイレクトです。Active Directoryサービスおよびグループポリシー管理を組み合わせると、エンドユーザー向けにフォルダー リダイレクトを展開できます。フォルダー リダイレクトを使用すると、ユーザーがHP ZCentralワークステーションに最初にログインしたときのユーザー プロファイル管理のオーバーヘッドを減らすこともできます。HP ZCentralチームは、HPのホワイトペーパー 『User Profiles and Folder Redirection in a Centralized Workstation Environment』(英語サイト)で、フォルダー リダイレクトのセットアップ方法を詳細に説明しています。

書き込みフィルタリング

書き込みフィルターを使用すると、システムを再起動するたびに、HP ZCentralの一貫したユーザー エクスペリエンスを提供できます。書き込みフィルターは、動作環境に加えられた変更を一時的なオーバーレイにキャプチャします。一時的なオーバーレイは、再起動後にクリアされます。この機能は、オペレーティング システムを既知の構成に戻し、エンドユーザーの構成ミスや不正なソフトウェアのインストールの問題を排除します。書き込みフィルタリングの詳細については、このソリューションガイドの最後にリンクがあります。

組織内のエンドユーザーの準備

前に述べたように、展開を成功させるための最も重要な要素の1つは、エンドユーザーがエクスペリエンスを受け入れることです。組織全体に展開する前に、エンド ユーザーに適切な期待を設定し、ソリューション全体を徹底的にテストすることが重要です。ネットワーク接続が違いを生むので、使用するすべてのネットワーク条件をよく理解してください。HP ZCentralソフトウェアの設定やネットワーク内の小さな調整が大きな違いを生む可能性があります。

エンドユーザーがHP ZCentralから得られるものを必ず伝えてください。下に例を示します。

RDP、TeamViewer、またはCitrixやVMwareのVDIなど、他の汎用リモート操作ソリューションの使用経験が少ないユーザーは、プロジェクトの早い段階でデモを体験する必要があります。これは、オフィス内の既存のHP ZワークステーションにHP ZCentral Remote Boost Senderをインストールし、ス t Senderをインストールし、オフィス内の別のコンピューターから接続することで、すばやく簡単に行うことができます。ユーザーが正確にテストできるように、該当するプロフェッショナルアプリケーションおよびプロジェクトファイルを備えたマシンを必ず使用してください。

リモートエクスペリエンスが十分なものになったら、幅広いエンドユーザーグループでテストを開始できます。

追加のドキュメントおよびリファレンス

以下のHPドキュメントには追加情報およびHP ZCentralに関連する詳細情報があります。

次のサードパーティのドキュメントも役立つ場合があります。

追加のヘルプの入手先

HP ZCentralソリューションの計画および展開を成功させる方法について詳しくは、最寄りの販売担当者にお問い合わせください。

* HP ZCentral Remote BoostはHP Zワークステーションにプリインストールされていませんが、追加のライセンスを購入しなくても、ダウンロードしてすべてのHP Zデスクトップおよびノートブックで実行できます。HPZデバイスを購入すると、組み込みライセンスを取得できます。HP ZCentral Remote Boostには、Windows (10または7 SP2)、RHEL (6、7、または8)、UBUNTU 18.04 LTS、またはHP ThinProオペレーティングシステムが必要です。macOS (10.13以降) オペレーティングシステムは受信側でのみサポートされています。ネットワーク アクセスが必要です。

** HP ZCentral Connectソフトウェアは、2020年夏以降発売開始予定です。一部の機能は、HP ZCentral Remote Boost, Windows 10, Windows Server 2016以降のオペレーティングシステム、Microsoft Active Directory、およびIntel Active Management Technologyが必要です。

サインインして最新情報をご覧ください HTTP://WWW.HP.COM/GO/GETUPDATED/

[ソーシャルメディアアイコン: Facebook, Twitter, LinkedIn]

同僚と共有する

PDF preview unavailable. Download the PDF instead.

zcentral planning guide Adobe PDF Library 15.0

Related Documents

Preview HP ZCentral Remote Boost User Guide
HP ZCentral Remote Boost enhances workstation deployments with security, performance, mobility, and collaboration. It allows users to remotely connect to powerful workstations from lower-powered devices, enabling access to graphics-intensive applications from anywhere.
Preview HP Windows 10 IoT Enterprise Administrator Manual
This manual is intended for administrators of HP thin clients based on the Windows 10 IoT Enterprise operating system. It covers system configuration, user account management, remote desktop applications, administration tools, and software downloads.
Preview HP Workstation Rack Mounting Solutions: A Technical Overview
This technical white paper details HP's rack mounting solutions for various HP Z Workstation models, including the Z2 Mini, Z2 Tower, Z4, Z6, Z8, and ZCentral 4R. It covers rack kit compatibility, installation, and benefits for centralized computing and remote access.
Preview HP Anyware: Elevating AEC Workflows with Secure Digital Workspaces
Discover how HP Anyware and PCoIP technology empower architecture, engineering, and construction firms with flexible, secure, and high-performance digital workspaces for hybrid environments, ensuring seamless collaboration and data protection.
Preview HP ZCentral Connect Hardware Monitor User Guide - Installation & Troubleshooting
Learn how to install and manage the HP ZCentral Connect Hardware Monitor. This guide covers prerequisites, installation steps, supported events, and troubleshooting for HP ZCentral 4R workstations.
Preview HP Product Specbook 2025.4 - Laptops, Desktops, Monitors, and Accessories
Explore the latest HP product lineup for 2025.4, featuring detailed specifications for personal laptops, desktops, monitors, and essential accessories. Discover innovative technology and comprehensive support options from HP.
Preview Store and Recall on HP Calculators: The First Decade
A review of the data storage and recall features on Hewlett-Packard (HP) calculators during their first decade, focusing on the evolution of storage registers and their functionalities from the HP-35A to later models.
Preview HP Essential Security Overview: Safeguarding Commercial PCs
Discover the HP Essential Security Overview, detailing the HP Security Stack for Commercial PCs. Learn about advanced hardware-enforced security features like HP Sure Start, HP BIOSphere, and HP Sure Click designed to protect business endpoints from evolving threats.