はじめに
L-Acoustics アンプリファイドコントローラーには、オンボードファームウェアとプリセットライブラリーが提供されています。これらのプリセットは、アンプリファイドコントローラーのフロントパネル、または LA NETWORK MANAGER を通じてロードできます。LA NETWORK MANAGER は、L-Acoustics アンプリファイドコントローラーをネットワーク経由でリモートコントロールするための専用マネージメントツールです。
ファームウェアのアップデートには LA NETWORK MANAGER が必須です。最新のプリセットライブラリーはファームウェアと共に自動的にインストールされます。最新のライブラリー、ファームウェア、およびソフトウェアについては、L-Acoustics のウェブサイトをご確認ください。
本書では、LA4、LA4X、LA8、LA12X のプリセットライブラリーバージョン 6.3(.2)について説明します。
プリセット デザイン
ゲインストラクチャー
L-Acoustics のすべてのファクトリープリセットのゲインは、音楽信号に類似したピンクノイズを基準信号としてキャリブレートされています。基準入力レベルはアナログ信号で 0 dBu、デジタル信号で -22 dBfs です。このレベルの信号を入力すると、L-Acoustics スピーカーエンクロージャーは 8 dB のヘッドルームをサウンドエンジニアに提供します。小型スピーカー(MTD108a, 5XT, X8, 8XT, KIVA, KILO)は 4 dB のヘッドルームにキャリブレートされています。
このゲインストラクチャーにより、同じフォーマット(現場)で様々なタイプのエンクロージャーを使用する際に、L-Acoustics システムのパワーリソース管理が容易になります。デフォルトの出力ゲイン設定(0 dB)では、すべてのエンクロージャーが同じプログラムレベルでリミットに達します。
エレクトロ-アコースティック カップリング
推奨スピーカー構成に対して定められたプリセットを用いることで、特定の放射パターンを持つコヒレントな音源となります。L-Acoustics ファクトリープリセットは、アクティブエンクロージャーの内部や、様々なスピーカーエンクロージャーを組み合わせた際に存在する「異なるトランスデューサーセクション間のカップリング」を確実にします。
本書では、L-Acoustics プロダクトファミリーを区分し、システムごとの推奨スピーカー構成と、適合するファクトリープリセット、得られる音響的な特性を一覧で示します。
周波数レスポンスコンター
同軸スピーカーエンクロージャーである Xシリーズには、標準プリセットと MO プリセットの2つの異なるコンターがあります。標準プリセットはステージモニターを除くすべてのアプリケーション向け、MO プリセットはステージモニターアプリケーション向けです。
旧タイプの同軸スピーカーエンクロージャー(XT、MTD シリーズ)には、FR プリセット、FI プリセット、MO プリセットの3つの異なるコンターがあります。
現行の WST システムには、メインのプリセットと FI プリセット(一部のシステムのみ)の2つの異なるコンターがあります。
オンボードプリセットライブラリー
オンボードプリセットライブラリーは、適応するアンプリファイドコントローラーのドライブ能力と L-Acoustics スピーカーエンクロージャーが必要とするパワーのマッチングがとられています。
LA4X オンボードプリセットライブラリーは、コントローラーのファクトリーメモリー領域である 011 から 093 に保存されています。各プリセットファミリーにおけるプリセット番号、プリセット名、解説を表形式で示しています。